皮膚疾患別に当院の治療方針についてご説明します。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は「増悪・寛解を繰り返す、そう痒のある湿疹を主病変とする疾患で、患者さんの多くはご家族か自分自身が気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数の疾患を持ち、IgE抗体を産生し易い体質をもつ」と定義されています。別の皮膚病のこともありますから、まずはその皮膚病がアトピー性皮膚炎なのかどうか、皮膚科専門医の診察を受けて下さい。
にきび
ニキビ治療は長期にわたって根気よく続けることが必要で、クリニックを1、2回受診して塗り薬をもらうだけでは治りません。治療を始めたら、まずは3か月、そしてできれば1年くらいは治療を継続することが大切です。
水虫(白癬 はくせん)
水虫は白癬菌が足に寄生した皮膚病です。白癬菌が寄生する部位によって、陰部では「いんきんたむし」、体幹では「ぜにたむし」、頭皮では「しらくも」などと呼ばれますが、すべて白癬菌という「真菌、カビ」の一種が皮膚に住み着いてできる病気です。ここでは頻度の多い、足に白癬菌が寄生する足白癬(水虫)について説明します。
爪水虫
爪に白癬菌が寄生した状態で手や足の爪が白く濁ったり、厚くなってきた時は爪水虫の可能性がありますので、早めに皮膚科でご相談下さい。爪の濁り、変形、肥厚があっても爪水虫以外の爪の病気もありますので、自己判断で治療をされないほうがよいかと思います。大切なことは爪に白癬菌が寄生しているかどうか皮膚科で顕微鏡検査して診断をすることです。
蕁麻疹(じんましん)
蕁麻疹は蚊に刺されたような、かゆくて赤い膨らみ(膨疹)が出て、その数や大きさが広がってゆく皮膚病です。多くの場合、個々のぶつぶつや膨らみは数十分から数時間以内に消えては、また違った場所に出てくることを繰り返します。
イボ
イボは尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)、扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)などの種類があって、イボウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス)が皮膚の細胞に感染して生じる皮膚病です。手や足の指、足の裏などの小さな傷から感染することが多く、手足に多くみられますが、顔も含めて全身の皮膚ならどこにでもうつります。手にできると盛り上がってきますが、足の裏にできると体重がかかるためにウオノメのように見えて痛みを伴ってきます。
水イボ
水イボは伝染性軟属腫ウイルスによって人から人にうつる皮膚に生じる小さなブツブツです。白く見えることが多いのですが、炎症をともなって赤みを帯びて見えることもあります。主に皮膚が未熟な10歳以下の子供さんに多くみられますが、大人に生じることもあります。
手荒れ
俗に洗剤かぶれ、主婦湿疹と呼ばれる手の湿疹は皮膚の表面に付着した物質が原因となっておこるすべての皮膚炎のことを言い、手に生じた接触皮膚炎(かぶれ)をさします。
頭皮のカユミやフケ(脂漏性皮膚炎)
アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬でなければ、大半は脂漏性皮膚炎という慢性の皮膚病のことが多いです。一番大切なのはどのような皮膚病なのか診断をつけてもらうことです。ここでは頭皮のカユミ、赤み、フケの原因として一番多い皮膚病である脂漏性皮膚炎について説明します。
円形脱毛症
円形脱毛症は主に頭皮に円形の脱毛班が生じる皮膚病です。本症はしばしば精神的要因によって発生すると言われており、実際に、心配事、精神的ショックなどにより円形脱毛症が生じたり、症状が悪化することも少なくありません。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)
帯状疱疹は水痘(みずぼうそう)と同じウイルスによって赤い発疹と水ぶくれができ、神経痛でピリピリ痛む病気です。
乾癬(かんせん)
乾癬は境界がはっきりとした、表面に厚い銀白色のウロコ状の角質を付けた大小種々の紅斑が多発する皮膚病です。とくにできやすいところは擦れやすいところで、肘、膝、尻、腰、足など、外から摩擦刺激を受けやすい部分です。また頭皮や体幹、爪などにもみられます。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
掌蹠膿疱症は手掌(てのひら)や足蹠(足の裏)に1~5mmまでの膿疱が多発し、良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら慢性に経過する皮膚病です。小さな水ぶくれで始まり、しばらくすると膿がたまり、カサブタや薄皮が剥がれ落ち、赤みをもった発疹となります。また爪の変形がみられることもあります。
白斑(はくはん)
白斑は俗にいう「白なまず」で自分のからだの免疫が自分の色素細胞を誤って攻撃することによって発症すると考えられています。
酒皶(しゅさ:赤ら顔)
酒皶(しゅさ)は額(おでこ)・鼻・頬(ほほ)・顎など主に顔の中心に生じる赤ら顔で、ニキビや化粧品かぶれ、脂漏性皮膚炎、紫外線皮膚炎、膠原病などを除外した上で診断される皮膚病です。