酒皶(しゅさ:赤ら顔)
酒皶(しゅさ)とは
酒皶(しゅさ)は額(おでこ)・鼻・頬(ほほ)・顎など主に顔の中心に生じる赤ら顔で、ニキビや化粧品かぶれ、脂漏性皮膚炎、紫外線皮膚炎、膠原病などを除外した上で診断される皮膚病です。
ほてりや灼熱感などの自覚症状と、発作性あるいは持続性紅斑・血管拡張(赤み)・浮腫(むくみ)・丘疹(ぶつぶつ)・膿疱などの様々な皮膚症状を伴い寛解・増悪を繰り返しながら徐々に悪化します。
酒皶は検査値や画像で確定診断する方法が存在しないため、医師による慎重な鑑別のもとに診断がなされます。また酒皶はしばしば見られる皮膚疾患ですが、時に誤診されていることもあり、ステロイド外用剤の使用によって誘発される酒皶様皮膚炎という酒皶に類似した皮膚病もあります。
酒皶は温熱刺激・温度差、運動、飲酒、喫煙、太陽・紫外線、ストレス、月経、香辛料などの刺激性食物、薬物などで症状が悪化します。またこれまでに塗り続けてきた薬を急に止めて新しい治療に変更すると、その反動で発疹が悪化することがあります。
当院における治療
酒皶に対して現在国内において認可された薬剤がありません。そのため、患者さんごとの状態に応じて創意工夫して治療します。正式に認可された薬剤がないため、漢方薬や抗生物質の内服が中心となります。
塗り薬治療についても患者さんの発疹の状態により個別にご指導しています。スキンケアについても受診時に患者さん毎の状態を見てご指導いたします。
酒皶患者さんは精神的情動によっても発作的に赤みが強くなることがあるため、メイクで赤みをカモフラージュする製品を積極的に取り入れ、心身の安定をはかることも必要です。
酒皶は治癒までにとても長い期間がかかりますので、根気よくあきらめずに治療と生活改善、スキンケアを続けましょう。