頭皮のカユミやフケ(脂漏性皮膚炎)
頭皮のカユミや赤み、フケのお悩みで受診される方は
- 脂漏性皮膚炎(しろうせいしっしん)
- アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬などの皮膚病の部分症状
- 接触性皮膚炎(整髪剤、シャンプー、毛染めなどによるカブレ)
- 頭部白癬(頭皮の水虫・・しらくも)
- 毛包炎(頭皮のニキビ)
などが考えられますが、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬でなければ、大半は脂漏性皮膚炎という慢性の皮膚病のことが多いです。一番大切なのはどのような皮膚病なのか診断をつけてもらうことです。ここでは頭皮のカユミ、赤み、フケの原因として一番多い皮膚病である脂漏性皮膚炎について説明します。
脂漏性皮膚炎とは
皮膚では皮脂腺から毛孔を通じて皮脂(皮膚のアブラ)が分泌されていますが、この分泌が多くなった状態を脂漏といいます。脂漏を基盤として紫外線やカビなどによって皮脂が脂肪酸に分解され、炎症をひきおこすことがあり、これが脂漏性皮膚炎です。
フケ症は体質的に皮脂の分泌が多い人がなりやすく、その大部分は脂漏性皮膚炎の軽いもの、あるいはは前段階と考えられています。
脂漏性皮膚の原因や悪化させる要因としては
- 皮脂貯留(入浴不足、洗顔不足)
- 寝不足・疲労
- ストレス
- 食生活の乱れ・かたより(肉や脂っこいもの・甘いものの取りすぎやビタミン不足など
- ホルモンバランスの崩れ
- カビの寄生
- 帽子・ヘルメットの着用
- 毛髪が多く髪を束ねて風通しが悪い
- シャンプー・リンスのすすぎ不足あるいはすすぎ過ぎ
など様々な要因がいくつも重なっているものと思われます。
自然に治ることが多い乳児の脂漏性湿疹に比べて青年期以後に発症すると再発を繰り返し、治るまでに時間がかかることが多いです。治療をすると軽快するが、放置すると悪化するという方が多くみられますが、それぞれの患者さんによって異なる悪化要因を改善する努力をしないと、長期間にわたって脂漏性湿疹とお付き合いすることになってしまいます。
当院における治療
赤みとかゆみが強い時はステロイド剤を中心に塗りますが、症状が軽くなれば抗真菌剤が効くこともあります。フケの多い方にはフケをとるための処置方法をご指導します。
また状態により漢方薬やビタミン剤などの内服治療を追加します。