円形脱毛症
円形脱毛症とは
円形脱毛症は主に頭皮に円形の脱毛班が生じる皮膚病です。本症はしばしば精神的要因によって発生すると言われており、実際に、心配事、精神的ショックなどにより円形脱毛症が生じたり、症状が悪化することも少なくありません。
しかし、甲状腺疾患、ウィルス感染、アレルギー、遺伝、ホルモン代謝異常などが原因で生じることもあり、患者さんによって原因も異なるため、円形脱毛症がなぜ生じるかよくわかっていません。したがって、円形脱毛症が生じた場合、精神的要素だけが原因であるとは言えず、様々な方面からその原因について考えていく必要があります。したがって状況に応じて血液検査が必要なこともあります。
円形脱毛症では、痒みや痛みがないため、他人に指摘されて、はじめて気がつくことが少なくありません。円形脱毛症にはいろいろな症状があり、放置しておいても自然に治癒してしまうごく軽症なものから、脱毛が多発して頭部全体におよび、さらには全身の毛が脱落してしまう重症なものもみられます。
しかし、毛髪が全部抜けてしまうような重症のものは少なく、多くは脱毛斑の数が1~数個にとどまり、早ければ数ヶ月以内に新しい毛髪が生えてきます。特に、他人に指摘されてはじめて気がついたような場合は軽症のものが多く、全頭脱毛に進行することはまれです。
当院における治療
円形脱毛症の治療は、脱毛巣の数、病気の進行度により、以下の3つの治療を組み合わせて行っています。なおSADBE療法と呼ばれる免疫療法は当院では行っていません。
塗り薬治療
ステロイドホルモン外用剤、カルプロニウム外用剤(当院ではフロジン液)の2種類を併用して塗ります。
飲み薬治療
セファランチン、グリチロン、漢方薬を組み合わせて内服します。漢方薬は患者さんごとに状態に合わせて様々な種類を用います。
光線治療
エキシマライトという光線装置を用いて、1週間に1回くらいのペースで通院していただき、20回治療を行ったところで効果判定し、効果があるようでしたら治療を継続します。
円形脱毛症の治療期間は症状により異なりますが、重症の円形脱毛症でも根気よく治療を行なえば治すことができます。