あの日のワンショット「(35)カタール/サウジアラビア」
平成7年秋、外務省の派遣による巡回診療でバーレーン、カタール、オマーン、サウジアラビア、クェートの5カ国を訪れた。
上の写真はサウジアラビアの首都リヤド郊外の赤い砂漠を訪れた時のものである。果てしなく続く赤い砂の砂漠。見渡す限り赤い砂とわずかな植物しか視界に入ってこないこんな所で一人取り残されたら、多分のたれ死ぬだろうな~、なんて思いながらサウジアラビアの砂漠に少々太っていた頃の私がたたずんでいる。
下の写真はカタールの首都ドーハ近郊の油田を見学した時のものである。サウジアラビアで訪れた砂漠と違って、白い砂で覆われ比較的なだらかな砂漠地帯に油田があった。これらの灼熱の地に住む人々も住めば都なのか、それともそこに生まれた宿命なのか、いずれにせよ人々はたくましく生きていた。また、日本人を含め多くの外国人が様々な形で中近東の国々に働きに来ていた。
あらゆる面で快適に過ごすことのできる日本で生活している我々は便利なことが当たり前になっているが、採掘可能な原油を使いきってしまったら我々の生活はどうなるのかな~と、油田地帯を望みながら思索に耽った。
まずは省エネ、節電、シンプルライフを心がけようと思う。アフリカやインド、タイの山岳地域、中国の奥地などで不便な生活をしている姿をこれまでに自分の目で見てきたことや、縄文時代や弥生時代でも人間は生きていたことなどを考えれば、なんとでもなるさと中近東を巡りながら来るべき未来を考えていた。