あの日のワンショット「(25)ポルトガル ロカ岬」
大学2年、21歳の時、50日間にわたる海外一人旅でのワンショットである。ロンドンから始まった旅もローカル列車とバスを乗り継いでついにユーラシア大陸最西端ポルトガルのロカ岬にたどりついた。旅において「最果て」といわれるところにたどりつくと心の中に何かひとつの区切りがつくのは私だけだろうか。この時も「ついにやって来たぞー」と感慨深いものがあった。スペインの"陽"に対しポルトガルは"陰""静"を感じる国であった。
首都リスボンに数日滞在したが、とても穏やかで静かな街だったような印象がある。ウィンドーショッピングをしていると、しばしば色とりどりの甘そうなケーキやお菓子のお店が目についた。そして路地から聞こえてくるファド歌手の歌声、魚を焼く匂い、光と影、五感で思い出すポルトガルであった。