院長の部屋
COLUMN

院長の部屋 92号 台風にまつわるエトセトラ

めっきり秋めいてまいりました。運動会、お祭り、行楽と活動の季節となりました。皆さんはどんな秋を過ごされていますか。

さて、10月に入り台風がこの地方にも襲いかかってきましたが、皆様におかれましては被害はありませんでしたでしょうか。当院は今回中部地方を縦断していった18号台風による被害はなくホッとしているところです。開院して13年5か月となりますが、台風による被害としては、これまでに一度停電による休診を半日したことがあります。いつも台風が来るたびに被害が出ませんようにと祈っています。

かつて私は鹿児島に4年3か月、奄美大島に2年住んでいました。鹿児島や奄美大島にいた頃の台風は、愛知県で体感する台風と比べてかなり威力が大きくて強いものでした。鹿児島在住の時、何度か大きな台風に遭遇しましたが、風がかなり強く市内の道路で自動車が横転したり、街路樹が倒れたりしたこともありました。

もっとすごかったのは奄美大島在住の時の台風です。北は東シナ海、南は太平洋に位置し、ポッカリと大海に浮かぶ島ゆえ、暖かい海で勢力を増した台風が直撃すると、風の強さに圧倒され恐怖さえ感じたことがあります。私が住んでいたのは鉄筋コンクリートのビルだったので、まだよかったのですが、島の住宅の多くは平屋の古い家屋で、屋根も簡素なトタン張りのため、島の住民の方々は私以上に台風の凄さを体で感じていたと思います。

そして台風が来襲すると物資を輸送する船舶が欠航し、本土からの食糧供給がしばらく断たれます。スーパーから牛乳、豆腐、野菜、魚などがかなり品薄になり、時に欠品状態になります。それゆえ、台風が来ることがわかると、しばらくは買い物にゆかなくても食べてゆけるように備蓄をしたものです。また飛行機まで欠航となると、人の行き来も全く不可能となり、一種の精神的閉塞感を感じることもありました。今思えば私にとって貴重な体験でしたが、離島で生活されている方々は、そのような環境の中で今も力強く生活されていらっしゃいます。

奄美大島在住の頃、年に何度か奄美諸島に属する他の島々へ巡回診療にでかける機会がありました。徳之島へ診療に出かけた時のことです。1日目に診療を終え、翌日奄美大島に帰る日に台風が徳之島を直撃したため帰島することができず、丸一日ホテルに缶詰め状態になりました。3日目、天気はよく徳之島空港で帰りの飛行機を待っていました。私達が乗る予定のプロペラの飛行機が徳之島空港に着陸しようとやってきたのですが、風が強く着陸できず大島へ戻っていってしまいました。なんと、もう1日徳之島に残るのか!!とやや消沈しました。奄美大島・徳之島間はプロペラ機の運航しかないのですが、徳之島・鹿児島間、そして鹿児島・奄美大島間はジェット機が運行しています。その日、風は強くともジェット機は運行していたことに引率の担当者が機転を利かせて、巡回診療団員9名分のチケット変更の手続きを素早く取ってくれたのでした。奄美大島と徳之島は隣合う島で目と鼻の先なのに、400キロも離れた鹿児島を経由して徳之島→鹿児島→奄美大島というルートでなんとかその日のうちに奄美大島へ帰島することができました。台風にまつわる懐かしい思い出です。

もう一つ台風にまつわる忘れ得ぬ思い出・・・これも巡回診療での話。台風で定期船が欠航となったためチャーターした漁船で黒島(三島村)から荒れる高波の中を枕崎近郊の漁港に戻ったという、ちょっとスリルに満ちた経験。長くなりそうなのでこのへんで・・・台風にまつわるエトセトラ。

     

平成26年10月10日 院長

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