院長の部屋 64号 就活エレジー
早いもので、平成24年も年が明けて1ヶ月が過ぎました。私自身としましては、落ち着いた日常が戻ってきましたが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
寒いが続き、インフルエンザも流行し小中学校ではあちらこちら学級閉鎖となっています。首筋と足元を温かくして睡眠をしっかりとって、そして胃腸をいたわり風邪をひかないようにしましょうね。なにより健康第一で、寒い冬を乗りこえましょう。
さてこのたび当院のベテランスタッフが3月末に退職することになり、その補充のためのスタッフ募集をしました。丁度、年度末の退職予定のため今回は3月卒業見込みの新卒の方も応募可としました。そういたしましたところ、1名の採用枠に30名弱の方が履歴書をお送り下さいました。当院の開院以来、何度もスタッフ募集をしてきました。そして毎回10~20名くらいの応募がありましたが、今回はそれを上回る数。特に新卒の3月卒業見込みの短大生がとても多く応募されてきました。本来は全員と面接したい気持ちはあるのですが、当院のような小さな医院ではマンパワーがないためどうしても履歴書による書類審査に合格した方のみの面接とならざるを得ません。
開業して11年目となり、これまでにスタッフ募集を何度かしてきて、200通を越える履歴書を見せていただき、50名以上の方と面接をしてきました。その経験から少しずつではありますが、履歴書からだけでも、応募者のおおよそのことを伺い知ることができるようになり、様々な点をチェックして書類審査をします。
そして今回は書類審査合格者11名と面接をさせていただき、一次面接合格者の中から4名の方に二次面接を行わせていただくことになりました。面接においでいただいた方はみんな一生懸命さが伝わってきましたし、どの方もそれぞれが良いところを持ち合わせ、みんな採用してあげたいという思いでした。しかし実際には1名しか採用できません。応募者の親御さんの年齢を聞くと私と同じくらいの歳の親も多く、親心を感じながらの面接となりました。これまでに5社、10社と応募したけれど採用をもらえなかったということを多くの応募者から聞きました。今のご時世、本当に就職氷河期なんだな~とつくづく実感しました。
二次面接に残った方々はどの方も皆、誰を採用してもよいと思う方々でしたが、その中からお一人、代表を選考させていただきました。採用する方と採用される方と何かの「ご縁」で結ばれたわけで、この「ご縁」を大切に育んでゆきたいと思っています。どこの会社であっても採用された方はその陰に不採用となった多くの方の代表として選ばれたのだという自覚をもって、少々のことでへこたれずに頑張ってほしいと思います。また不採用となった方、いつかどこかの素敵な会社や事業所と必ずや良いご縁で結ばれると信じています。そして、ご縁のあった会社を是非とも好きになってくださいね。
今回の採用面接をしていて、震災の影響のためか若者の心の持ち方が変わってきたように感じ取れました。顔の表情や言動に真剣さや真面目さ、感謝の気持ちが震災前よりひしひしと伝わってくるのです。震災で起きたこと、そして今なお起きていることを教訓に、平和ボケしていた我々日本国民の目が覚めはじめているのだと思います。
芽吹きの春に備えて植物が養分を蓄えるように、知的・身体的なパワーをこの時期にしっかりと補充して活動の春夏に向けて備えたいと思っています。