院長の部屋 43号 人間の原価
今年も桜咲く季節がやってきました。学生は新学期が始まり、お勤めの方々も異動があったりで新しい生活が始まった方も多いことでしょう。季節の変わり目でアトピー性皮膚炎の方々は調子を崩しやすい時期ですし、花粉症によるかゆみ、紫外線による肌あれなども多い季節でが、皆様はこの春をいかがお過ごしでいらっしゃいますか。
先日、元素に関する本を読んでいたらこんなことが書いてありました。「人間の原価はいくら?」 なんのこと??? と思って読むと「人体を構成している元素をもとに計算すると、人間はいくらになるのか値段をだしてみた」というのです。
体重60キロの人で考えると結果は次のようになるそうです。
- 亜鉛・・・0.5円:0.12gを実験用薬品亜鉛で換算
- 鉄・・・14円:3gをクギで換算
- ナトリウムと塩素・・・20円:180gを食塩で換算
- リン・・・300円:600gをリン酸肥料で換算
- 硫黄・・・288円:120gを実験用薬品硫黄で換算
- 窒素・・・774円 :1800gを窒素肥料で換算
- カリウム・・・605円:240gをカリウム肥料で換算
- 酸素と水素・・・3,980円:45000gを水で換算
- 炭素・・・896円:10800gをバーベキュー用炭で換算
- カルシウム・・・1,766円:900gを実験用炭酸カルシウムで換算
- マグネシウム・・・4,200円 30gを実験用薬品マグネシウムで換算
しめましては、13,000円也。
人間を元素として原価をだすと60キロの人で13,000円になるのだそうです。この原価にどんな付加価値をつけるかは自分次第ですが、時代が変わっても人種が変わっても人間の原価はこれくらいなんですね。純金の金歯を数本いれていれば13,000円の何倍にもなるかもしれませんが・・・。
また、金やプラチナが高価かなと思っていたらなんと1gあたり金は3,139円、プラチナ4,216円、銀51円だそうで実は元素のなかではそんなに高価ではないらしいのです。
では1gあたりの元素の値段ランキングは!
1位:Rh (ロジウム:世界で年間16トンしか産生されない希少貴金属。用途はシルバーやプラチナなどのアクセサリーをメッキする元素で自分より他人の美を支える元素):60,000円。
2位:Cs(セシウム:セシウム原子の電磁波の周期をもとに1秒が定義されている。セシウムの原子時計は抜群に正確で、最高精度の誤差は30万年に1秒とか):52,400円。
3位:Lu(ルテチウム:研究用以外にはほとんど用途がない):50,500円。
4位:Sc(スカンジウム:アルミニウムに似た軽金属で発光管に封入するとハロゲンランプの2倍以上明るく、寿命も消費電力も優れているので、スポーツ施設や高級車のランプとして働いている):45,900円。
5位:Tm(ツリウム:光ファィバーで送られる光を強化する光アンプに使用):33,100円
IT関連や電気自動車の電池などで使われる希少金属や元素の奪い合いが国際的にますます進むのでしょうか?つぎつぎ資源が掘り起こされて、地球が悲鳴をあげそうですね。便利になるのも良いけれど、このままだと地球はあと何年もつのか心配になってしまいます。人間だけでなく、地球までがストレスをさらされて・・・。子孫のために美しい地球を残したいと思いませんか? そして今、私達にできることは・・・。
平成22年4月5日 院 長