院長の部屋 23号 生きる自信を持つ
梅雨に入り、雨の降る日が多くなってきました。しばしば渇水に悩む東三河地方の水瓶である宇連ダムそして大島ダムも現在ほぼ満水で、夏に向けての準備ができてきたようです。
原油の高騰とそれに関連した様々な物価上昇、後期高齢者医療制度の問題、全世界的な食糧不足の問題、四川大地震等々、暗澹たるニュースに囲まれ、子供たちに明るい未来を語ることが難しくなってきました。
その中で社会を背負う第一線の私達は何を考え、どう生きてゆけばよいのか、先が見えにくくなってきたことに一抹の不安を感じることがあります。“なるようになるさ”と言ってしまえばそれまで。子供や孫の世代にこの地球を残すのではなく、子供や孫の世代からこの美しき地球を私達が借りているのだという気持ちで行動しなければと考える今日この頃です。皆さんは、この季節どんなことを考えてお過ごしですか。
さて東京都知事の石原慎太郎と医師の石原結實(ゆうみ)共著の「生きる自信」という本を読みました。石原結實先生は書店に行くと数多くの著書があるのでご存知の方も多いと思いますが、断食を中心に魅力ある健康法を提唱されている医師です。「生きる自信」の中から目に留まった一部を抜粋します。
石原慎太郎:
私は最近の医術というものを、科学の一つの枝としてはほとんど信用できずにいる。~中略~ 最近の医者たちがいろいろ手を尽くした検査の結果のデータだけを元にして、患者の健康を判断する傾向は進歩というよりもむしろ退歩でしかなく、危険とさえいえる。
石原慎太郎:
動物行動学でノーベル賞を受賞したコンラッド・ローレンツは「若いころに肉体的苦痛を味わったことのない者は長じて必ず不幸な人間になる」といっています。苦痛といったって、イビリや虐待と違って、ただの我慢。今の人は暑いといえばすぐに冷房。寒いといえばすぐに暖房。お腹がすいたといえばすぐに間食。いやいやでも家事の手伝いをさせられたり、お使いにやられるとか、そうした苦痛に耐えた経験のない人間は苦痛に対しての耐性が著しく低くこらえ性がないため、人生の戦いで自分にも他人にも勝てないひ弱な存在として生きていくことになる。
石原結實:
長寿学の世界的権威の研究結果としての「100歳まで生きる10カ条」。
- 毒もうまく使えば最大15年間寿命を延ばせる。「毒」とはX線、アルコール、日光を指す。
- 精神状態を安定させる。幸福な結婚生活と家庭は長寿にとって極めて大切。結婚している男性は7年、女性は2年、結婚していない男女に比べて長生きできる。
- 長生きする環境に身を置く。(沖縄など温暖な気候の地域)
- 長からず、短からずの睡眠。
- 頭もたえず使う。
- 病気になる前に予防する。
- 「食物は薬である」という考えをもつ。ワインやチョコレートも長生きの要因。
- 楽しいこと、趣味に没頭する。
- 新しい方法・様式・技術を忌避しないで積極的に取り入れる。
- 常に「笑い」を忘れない。
この著書の中から薬と検査に浸かった現代医療に対する警笛ともいえるくだりが多々読み取れました。薬の使用よりも大切なこと、検査の結果のみで体のことがすべてわかるわけではないこと、東洋医学では当たり前なことが西洋医学を中心とした現代医学では軽視されている現状。健康に生きる、生きる自信を持つためにあなたは自ら何かにとりくんでいますか。
平成20年6月16日 院 長