院長の部屋
COLUMN

院長の部屋 22号 学会参加と心訓

今年も日本皮膚科学会で一番大きな行事、日本皮膚科学会総会が京都国際会議場で4月18日から20日の3日間で開催されました。毎年のように土曜日の診療を終えてから出かけるので、土曜日の夕方から日曜日の最後のセッションまで聴講しても、ほぼ1日しか参加できないのですが、それでも新しい治療や発見の発表をはじめ、新しい医療機器、医学書が一同に集まってくるので、総会に参加することは私にとって欠かせない行事のひとつとなっています。

さて、皮膚科における今年のトピックスの最大のものは、「アダパレン」というニキビの外用治療薬が国内で早ければ7,8月頃から処方できるようになることでしょうか。この薬は外国ではかなり前から使われているのですが、日本ではようやく認可されることになったもので、「アダパレン」の登場で日本におけるニキビの治療がかなり変わるのではないかと予想されています。使い方が難しいようなので皮膚科専門医がきめ細かい指導をして処方することになりそうです。当院では漢方薬を用いて、個々の患者さんの症状によってオーダーメイドのニキビ治療をしてきましたので、これまでもかなり満足のゆく治療成績を得ていますが、「アダパレン」が加わることで、ますます治療のバリエーションが増えて、にきびの患者さんには大きな福音となるでしょう。

今回の学会では「疥癬の診断と治療の極意」、「ダーモスコピー(私がよく使っている特殊な拡大鏡)を用いた皮膚病の診断」、「床擦れの最新の知見/予防/治療」、「皮膚病の光線治療」など、第一線の皮膚科開業医として明日の診療にすぐに役立つ知識を中心に、これらの分野において国内トップを走っている講師の先生方の教育講演を多数聴講してきました。

お楽しみの懇親会は、新潟大学皮膚科教授が学会会頭だったことで、新潟の名物を振舞う屋台が出たり、新潟の銘酒「越乃寒梅」「久保田 万寿」など5種類を飲み放題で振舞っていただき、久しぶりに出会うかつての先輩や同僚と近況を報告しあい、お互いの健康と活躍を確認し、楽しいひとときを過ごしてきました。

最近、医療を取り巻く環境はどちらかと言えば暗く、行き詰まったような状態ばかりがクローズアップされています。特に病院で働く勤務医の医師は過酷な条件の中でがんばっていますが、皮膚科学会では少し前から「病院勤務医が燃え尽きないために」とスローガンを掲げ、皮膚科学会が中心となって様々な取り組みを始めようとしています。今回の学会でも「病院勤務医が燃え尽きないために」と言うセッションがもうけられ、熱い討論があったようです。私は時間がつかず、そのセッションを聞けなかったのですが、その中で「燃え尽きずに20数年勤めてきた病院皮膚科医」の発表抄録に、下に掲げる「福沢諭吉の心訓」が掲載されていました。「心訓」を心の糧に日々がんばっているんだなーと共感しました。皆さんは「心訓」を読んで、何を感じますか。

一、世の中で一番楽しく立派なことは、一生涯を貫く仕事を持つことです。
一、世の中で一番みじめなことは、人間として教養のないことです。
一、世の中で一番寂しいことは、する仕事のないことです。
一、世の中で一番醜いことは、他人の生活をうらやむことです。
一、世の中で一番偉いことは、人のために奉仕し、決して恩にきせないことです。
一、世の中で一番美しいことは、総てのものに愛情を持つことです。
一、世の中で一番悲しいことは、嘘をつくことです。  

平成20年5月7日  院 長

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