院長の部屋
COLUMN

院長の部屋 14号 真夏の夜の楽しみ

8月に入って夏本番、本当に暑くなってきました。今年はすでに台風が2つも本土に上陸し、夏を肌で感じる今日この頃です。皆様は今年の夏をいかがお過ごしですか。

夜になると当院の隣にあるリゾート施設「ラグナシア」で、ミュージカル花火が連日打ち上げられ、片付け仕事をしながら見るその花火は、一日の疲れを十分癒してくれます。そして風呂上りに冷えたビールをグィッといっぱい。真夏の夜の楽しみはこれにつきます。ビールがおいしく飲める健康に感謝しつつ、皮膚科医にとって一番忙し い夏を今過ごしています。

さて、皆さんはこの夏どこかへお出かけになりましたか。私は6年前に開業して以来、なかなか夏の旅行にいけずにいます。皮膚病の多発する夏期に患者さんのご都合を考えるとお盆に約3日間の休診をとるのがやっとで、渋滞混雑するお盆に遠出するパワーもなく、結局お墓参りと近くでゆっくりと過ごして過ぎていってしまいます。

そんな中、空想の中で一人旅行する方法、それは旅を題材にした本を読むことで、 旅好きな私の心を少しでも癒し満たしてくれます。五木寛之の「青年は荒野をめざす」や、沢木耕太郎の「深夜特急」は私が20代の頃にであった心躍る小説でした。特に「深夜特急」は沢木が乗り合いバスでデリーからロンドンまで走破したときの記録で、テレビでドラマ化された時は嬉しくてテレビに釘付けでした。かつて沢木の「深夜特急」で読んだような旅をしたくて、学生時代は一人バッグパックをかついで多くの国々を放浪していました。そして、かつての自分を懐かしみながら最近、沢木耕太郎が2006年に出した「一号線を北上せよ ベトナム街道編」を夜な夜なビール片手に読破しました。

「一号線を北上せよ」は「深夜特急」の旅をしていた頃の沢木から30年が過ぎ、今年60歳になろうとする著者が一人ベトナムをホーチミンからハノイまで乗り合いバスで旅するノンフィクションです。かつて私もベトナムを一人旅したことがあるので、イメージとしてありありと情景が浮かんでくるので、この本を読みながら自分も旅をしている気持ちになりました。特に沢木が何度も書いていた「フォー」というベトナム 風うどんの描写がでてくると、ライムを少しかけたさわやかな匂いと、うす味で飽きのこない風味までもが思い出されました。ミニバイクで溢れる街の喧騒、ノンというツゲ傘をかぶったオバチャンたち、ウズラの卵やひき肉などの具がたっぷり入った肉まんのおいしかったことなど、様々な情景が脳裏にジワーっと呼び起こされ、平和な日本で暑い夏の夜に一人時間旅行を楽しんでいます。

少し前にイタリアのボローニャで活躍されている一流のソプラノソリストである柳橋里美さんが蒲郡に来られミニコンサートを開かれました。とてもすばらしい声でうっとりするひと時を過ごすことができましたが、私はそのときに柳橋さんが話されていたことがとても印象的でした。「イタリアに住んで20年、日本に時々帰ってくるとあれやこれやと社会問題や生活について嘆いたり不平や不満を言っていますが、イタリアでは消費税は20%、小中学校の設備は日本と比べたら本当にお粗末で楽器などほとんどなし。どこの国でも大なり小なり常に問題があるのですよ。あれこれ言っても日本は本当に恵まれていると思います。」良くも悪くも、その中にいると、自分が見えなくなってしまう。戦争のない現在の日本に暮らせていることに感謝しつつ、今年の夏を乗り切りたいと思います。

平成19年8月9日     院 長

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