院長の部屋
COLUMN

院長の部屋 112号 私的、B級グルメ紀行 飲み物編

とーんと昔の話。でも多分、今でも通じる話。111号「私的、B級グルメ紀行」に続いて今回は、貧乏学生が世界各国で巡り会ったB級グルメから、飲み物にまつわる思い出を回想します。

私が学生だった頃、バックパッカーにとってインド放浪は、いつかは越えるべき一つのハードルでした。「インドが私を呼んでいる」なんて言いながら、旅人はインドを目指すのでした。そんな流れに誘われて、私も一人、インドを放浪したことがあります。日本とは何もかも異質なワンダーランド。インド大好きと言う旅人もいますが、私にとっては身も心も疲れ果てる道中でした。小腹が空き、判断力が鈍ってくると街角のチャイ売りから買う甘くてスパイシーなチャイでホッと一息つく日々。過酷な旅の中、何度チャイに癒されたことでしょう。インド流の甘いミルクティー、チャイ。インド放浪、思い出の味、癒しの味は・・・チャイでした。

ベルギーには学生時代と医者になってからと、2度訪れました。美食の国ベルギーには美味しい物が沢山あります。そしてビールの種類の多さには感動モノでした。白、黒、琥珀、さくらんぼ色、味わいといい、ビール瓶のデザインといい、ビールグラスも様々な形があってビール好きにはたまらなく、そして圧倒されたのでした。

ベルギービール探訪の中、特に思い出深いのはゲントにあるDulle Griet(デュル・グリート)と言うブラスリーで、大きなフラスコ形のグラスが砂時計様に木に挟まった1.2リットルの名物ビール“MAX”を飲んだ時のこと。高価なグラスなのでしょう、グラスを返却するまで保証金代わりに自分の履いている靴の片方をお店に預けなければならないのです。そしてその靴は籠に入れられて店の天井に吊るされます。ビールを飲み終わりグラスを返却すると、天井につるされた靴を手元に戻してくれます。当時、鹿児島大学助教授の瀬戸山充先生とご一緒させていただいた、なんとも愉快な経験でした。白アスパラ、ムール貝をつまみにワインもいいけれど、ベルギーではやはりビールが美味しかった!!

大学5年の夏、学生生活最後の放浪の旅はエジプトでエンディングを迎えました。炎天下のカイロとルクソールを巡る中、時折立ち寄るチャイハネでの注文は決まってエジプトスタイルの紅茶「シャイ・ヴィ・ナアナア」でした。ティーグラスに砂糖とフレッシュミントを入れて飲むミントティーです。清涼感あふれるミントの香りと砂糖の甘さで、旅の途中、疲れた体と心はリフレッシュ。美味しいものを食べた記憶の乏しいエジプトで思い出すのは、ミントティー。今でも折に触れてミントティーが飲みたくなるのはエジプトでの思い出が私の中で同期するからかな?

スペインではついつい昼間からバルに足が向いました。タパを注文し、お昼のドリンクはサングリア。日本の酒屋で手に入る瓶詰のサングリアとはちょっと違います。赤ワインと適度に甘味のある炭酸飲料をベースにして、新鮮な柑橘類、桃、リンゴなど様々なカットフルーツが冷えたピッチャーに混ぜられています。フルーツの香りと炭酸の爽やかさに赤ワイン・・・私好みの味でした。グラナダでフラッと立ち寄ったバル。光と影のコントラストに浮かぶアルハンブラ宮殿の余韻に浸り、冷たいサングリア片手に過ごす夏の昼下がり。アルハンブラの思い出はサングリアと共に。

マルコス大統領とイメルダ夫人の失脚・亡命、アキノ大統領誕生。そんな最中、友人と二人で激動のフィリピンへ渡りました。イメルダ夫人の住んでいたマラカニアン宮殿が開放され、我々も見学に行きましたが人が多すぎて何が何だか・・・人を見て帰ってきました。そんな活気に満ちたマニラとセブで約10日過ごし、マイブームになったのが濃厚フレッシュマンゴージュース。様々な店でマンゴージュースを何度も飲みましたが、そのほとんどはトロトロ感のある濃厚なマンゴージュースで病みつきになる味でした。フィリピンから帰りあの味を求め日本国内のあちらこちらで時折マンゴージュースを注文してみるのですが、未だにフィリピンで味わったマンゴージュースを超える味に出会えません。激動のフィリピン、忘れられぬ味、濃厚フレッシュマンゴージュース。

大学卒業旅行と外務省派遣の巡回診療でインドネシアのバリ島を二度訪れました。インドネシアではサテやナシゴレンなど食べ物の思い出も沢山ありますが、飲み物ならバリ流コーヒー「バリコピ」です。粉末にしたコーヒーをお湯に解き、粉が沈むのをじっと待って上澄みをすすります。砂糖もたっぷり入っているので甘く、そしてコーヒーの香ばしさがマッチして南国情緒がかき立てられます。待ち切れずに飲むと粉っぽいコーヒーを飲むことになります。バリコピに出会った当初、せっかちな私には不向きな飲み物でしたが、バリを旅する中でバリコピにゆったりとした時間の過ごし方を教えてもらいました。“急がない!のんびり飲もう、のんびり過ごそう”って!

ベルギービール以外は全部甘い飲み物の話になってしまいました。キレもなければ渋さにも深さにも欠ける、甘っちょろい人生を生きてきた自分自身を象徴してるのかも?

令和2年4月17日 院長

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