院長の部屋
COLUMN

院長の部屋 107号 奄美大島で過ごした2年間 Vol.2

コバルトブルーの海をひとりじめ ~ 奄美大島の休日

今から約20年前、鹿児島県立大島病院に勤務していた2年間を振り返る「奄美大島で過ごした2年間」のVol.2は診療以外の生活について触れてみたいと思います。

週末は重症の入院患者さんがいなければ穏やかなオフタイムを過ごすことができました。休みには島内のあちらこちらへドライブ、ピクニック、貝拾い、シュノーケリングなどに出かけたものです。
海へ向かえばアダンの木が茂る真っ白な砂浜や、コバルトブルーの海と熱帯魚が泳ぐ海岸、角の取れたまんまるの石が打ち上げられた海岸など様々な特徴を持つ海辺が私たちを迎えてくれました。ビーチに卓上コンロを持参して温かい野菜スープにおにぎりほおばり、本土では見たことのない貝殻を夢中になって拾い集めたりして、かけがえのない時間を過ごしました。

奄美大島の南端の町、古仁屋に観光用グラスボートが定期船として運行していました。ガラス越しに海底の様子が観察できる観光船です。数回乗船しましたが、サンゴや熱帯魚の泳ぐ姿を目の当たりにでき、お勧めの観光スポットです。またある時はマングローブ原生林のカヌーツアーに出かけました。マングローブの森をカヌーで回る日本でも数少ない貴重な場所です。国内でも希少な多くの自然が身近にあったことに改めて感謝するばかりです。

景観で有名なビーチですら、我が家族しかいないプライベートビーチ状態だったことは数知れず、本当に贅沢な時間を過ごしていたと思います。
金作原(きんさくばる)というアマミノクロウサギの住む森に入ると眼前には怪獣モスラが出て来そうな原生林が広がり、巨大なシダ植物ヒカゲヘゴが茂る道を毒蛇のハブに注意して散策しました。少々スリルのある森林浴・・・というより探検を楽しんだこともありました。

奄美自然観察の森には何度も通いました。見慣れぬ綺麗な蝶があちらこちらに飛びかい、展望台から望む奄美の海岸線と真っ青の海は今でも脳裏から離れません。ある時は夜間にこの森に集合して奄美大島と沖縄本島にしか生息しないイシカワガエルの観察会に参加したりして奄美生活を大いに満喫したものです。日本にもまだまだこのような自然に恵まれた場所は残されていました。

キャンプの達人と無人島に泊まる

名瀬市(当時)主催のカルチャー講座の中に「キャンプ講座」があり、好奇心から参加してみました。講師は市職員で“アウトドアーの達人”と言われる方です。実際のキャンプに行く前に座学が1回、浜辺で参加者の懇親バーベキューパーティーを兼ねてテントとタープの設営実地練習が1回ありました。実際のキャンプは我が家族ともう一家族、そして達人と達人の息子さんの総勢8名で、奄美大島と加計呂麻島間の大島海峡に浮かぶ小さな無人島で行われました。講座で練習したとおりにテントとタープを設営し、その後はシュノーケリングを楽しんだり、海に潜って食料になりそうな貝を見つけたり、達人は魚を釣ったりしているうちに夕暮れとなり夕食の準備となります。ビールをたらふく飲んで、焚火を囲んで語らった大島海峡の無人島での一夜は、我が家族にとって最初で最後の貴重な無人島キャンプ体験となりました。

毎年恒例、病院主催の運動会

当時、病院が企画する運動会が毎年開催されていました。病棟ごとにチームを作り病棟対抗で競い合う。リレーあり、綱引きあり、運動公園を借り切って一日汗を流します。自分のイメージ通りに足が運ばず、足はもつれて転びそうになりながらもなんとか完走できました。また応援合戦もあり、高校時代に応援団員だった私は久しぶりに応援のリーダーを務め、のどを枯らしてしまいました。日頃の診療から離れ病院職員が共に笑ったり、冷や汗をかいたりして病棟の絆、病院全体の絆を深める貴重なひとときでした。

艶やかな“大島病院踊り連” ~ 奄美祭

毎年、夏なると奄美祭が開催され、名瀬市の中心部を練り歩く踊り連に大島病院も参加していました。男性医師も女性と同じつげ傘に浴衣の衣装をまとい、楽しみながら参加します。名瀬市に大企業はなく、大人数で参加するグループが少ないため我が大島病院踊り連はかなり目立つ存在で、観覧する患者さんから声をかけていただいたりして楽しい行事でした。今の時代、職員そろって地元の祭りに参加する病院はどれほどあるでしょうか? ほのぼのとする多くの経験をさせていただいた奄美での日々でした。

年末のお楽しみ 病棟対抗かくし芸大会 ~ 忘年会

忘年会の病棟対抗隠し芸大会は病院の一大イベントでした。忘年会が近づくと一日の業務を終えた後、かくし芸大会の練習に励んだものです。我が病棟は眼科、耳鼻科、泌尿器科、皮膚科合同チームで私の赴任した1年目は男性医師が女装して女性グループ”MAX”の“Give me a Shake”をコピーしました。2年目も女装して「支那の夜」を歌って舞いました。優勝を狙って練習を積みましただが、惜しくも準優勝止まりでした。本当に楽しく盛り上がった忘年会でした。

病院主催の職員運動会、お祭りへの参加、かくし芸大会など様々な行事を通して病院職員の絆を強めていたあの頃。離島ならではの行事だったのか、時代がそうさせていたのか、20年の年月が過ぎゆき現在はどうなっているのでしょうか。若かったあの頃を懐かしく思い出します。

Vol.3に続く。

令和元年8月26日 院長

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